レインツリーの国
レインツリーの国を読んだ。
本は滅多に読まない。
というか、国語が苦手で、読めない。集中出来ない。私自身で、読み書きのLD(学習障害)を疑うくらいに読み書きが出来ず、慣用句などの意味もわからない。文脈が理解できず、友達に鬱陶しく思われることも多くある。
日常生活でも困り感のある私が本なんて読めない。
私は大学生であるが、大学に進学してどころか、高校に進学した後読書なんてした記憶がない。本屋に行っても買うものは大好きな数学の問題集。ファッション雑誌。少女・少年漫画。(青年漫画は多々文脈が理解できない)写真集などである。
大学に進学するためにセンター試験を受験したが86/200点を記録した。高校のクラスではビリッケツ。
そんな私が本を読む気になったのは、とある講師との出会いである。
非常勤講師として他大学からいらした教授が、私の大学で心理学系の講義を開講した。その教授が、鷲田清一の本を薦めていた。聴くことの力という哲学と臨床心理の話の本である。
本は滅多に読まない私であったがその本を購入してみた。
そしたら、なんと、サクサク、読める!
わけがない。
言っている単語の意味が分からず、そのたびに集中が切れる。哲学も大嫌いなのに、苦手な読書もそりゃーすすまない、すすまない。
そこでまた、他の聴覚障害についての授業を受けていたところ、「レインツリーの国」が紹介された。聴覚障害について学んでいるときに、紹介されたのである。
聴覚障害についての興味はあったので、物語の理解は一通りすることができた。
しかし相変わらず単語の意味がわからず、飛ばしてしまった意味が多々あった。
登場人物は喧嘩をする。
だから感情をぶつけ合うので、登場人物が何を考えているのかとてもよく分かった。久しぶりに読書をするにはぴったりの本だったのだろう。
まぁーーー恋愛については全く意味がわからない。なんでこんな男が好きなのか。なんでこんなに女の子はすねるのか。なのになんで一緒にいるのか。なんでが募る。
しかし障害についての困り感は、物語の具体的な描写で、とてもよく理解することができた。
障害に対する支援も、聴覚障害者の心理と向き合いながら考えることが出来たので、わたしにとっては障害について学べた本である。
中途失聴者は生まれつきの障害と異なり、第一言語は日本語である。コミュニケーションへの困り感。
補聴器に対する困り感。
自身の障害受容への困り感。
様々な困り感への存在の気づきがたくさんできたから、それなりに成長出来たと思う。
でもなんかつまらないの。
他の人と同じようには本が楽しめてない。でもためになったからまだいいか。次は病弱について学びたいから、美丘でも読んでみようかな〜〜〜
おわり。